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2006.12.11

牡蠣の小鍋だて

Baian_1

毎日新聞「余録」から。
季節柄、池波正太郎の鍋に関して紹介している。
『梅安晦日蕎麦』の一シーンとしてこう記している。

 とっぷりと暮れてから梅安と彦次郎は、居間の長火鉢に土鍋をかけ、これに出汁を張った。
 笊(ざる)に大根を千六本に刻んだのを山盛りにし、別の笊には浅蜊の剥き身が入っている。
(「梅安料理ごよみ」講談社文庫)

うむ、旨そうだ。
とはいっても、ただの大根に浅蜊である。
これをどう食うかというと、池波先生はこう続ける。

 鍋の出汁が煮えてくると、梅安は大根の千六本を手づかみで入れ、浅蜊も入れた。
 刻んだ大根は、すぐさま煮えあがる。それを浅蜊とともに引き上げて小皿へとり、七色蕃椒(なないろとうがらし)を振って、二人とも、汁といっしょにふうふういいながら口へはこんだ。
「うめえね、梅安さん」
(「梅安料理ごよみ」講談社文庫)

小鍋だて。
やはり、旨そうなのだ。
梅安と彦次郎は、これで燗酒なんかをグッと煽るに違いない。判ってる。そんなことくらい判ってる。
千六本は手づかみで、浅蜊は一気に入れるにかぎる。小皿に盛ったらとうがらしだ。こんなことくらい、やはり判ってる。

「余録」氏はこの後、ごくりと生唾を飲み込み、そしてじっと耐え、最近の大根や白菜やキャベツの獲れすぎを嘆いた生産者が、トラクターで圧し潰すさまを紹介してこの世を憂れいておられるのだ。
野菜が獲れすぎだといって生産者が廃棄する、この情けないさまを『梅安晦日蕎麦』に引っ掛けるところが見事だ。天晴れ「余録」。

帰宅して冷蔵庫を開ける。
中には白菜と牡蠣が入っている。
小さな一人用の土鍋に出汁を張り、沸騰したところで刻んだ白菜を手づかみで放り込む。頃合いを見計らって牡蠣も入れてやる。
煮えあがったところでそれを小皿に盛り、柚子ポンを軽くサッとかけ、そして一味唐辛子を振ってやる。
それをふうふういって口にはこび、グラスのビールを一息に流し込んだ。
旨い。実に旨い。お見事。
「うめえね、梅安さん」
と言いたいところだけど、梅安はおろか、猫一匹居りゃしない。
そうなのだ、カミさんは昼に帰ってしまったのだ。

「うめえね、梅安さん」
もいいが、ひとりで食う小鍋だても悪くない。
ええ、単なる空威張りですよ、空威張り。
人恋しと泣け十二月だ。合掌。



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コメント

鍋が美味しい季節になりました。
いつも定番はチゲ鍋。
牡蠣鍋は一度もしたことがありません。

今度 してみます。

土日とNSPファンクラブの集いに参加するために東京へ行って来ました。


もう長いこと みゆき・NSP・因幡のファンですが、追っかけをしたのはNSPだけです(笑)
ファンクラブの経験は、現在もingでNSP。
後 過去にTーBOLANに入っていました。

NSP 天野滋が逝去してもFC続行中とは恐るべし中年 否 熟年ファン。
ファンクラブの集いは おばさん達が中心でした(爆)
大石吾朗も参加して楽しい時間を過ごしました。(^o^)

投稿: 姫 | 2006.12.12 23:12

姫さん、お元気なようで何よりです。
音信不通でどうしているのかと思ったら、東京でしたか。(笑)
たまには東京もいいかもね。

NSPはよく解らないけど、姫さんをそこまで夢中にさせるのだから相当なものだね。あ、大石吾朗は知ってますよ、ええ。
ただ、相手が熟年おばさん達じゃかなり手強いというか覚悟が必要だ。
おばちゃんはもう怖いもの知らずだから。ケリなんか入れられなかった?(笑)

冬は鍋、これが一番だ。後かたづけも簡単だし、もうこの時期を首を長くして待っていました。(笑)
牡蠣鍋は牡蠣があればあとはなんでもいいですからね。
白菜に豆腐、これだけで充分だ。
そして残った汁にめんつゆなんかを加え、そこに御飯を入れて、さらに卵でとじる。立派な雑炊のできあがりです。
是非お試し下さい。
まあ、大して自慢できるものではないけど。(笑)
寒くなりました、お風邪など召さぬよう。

投稿: 信天翁 | 2006.12.12 23:52

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