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2009年2月に作成された記事

2009.02.22

チリワイン

チリのサンチャゴ空港に着いたときTさんが迎えにきてくれた。
これから二日間、彼がアテンドしてくれることになっていた。
早速Tさんの会社の貨物船に行って仕事を終え、我々は飯を食いに街に出た。チリという国はブラジルといった他の南米諸国とちがい、日本人の移民を受け入れなかったから今でも日本料理店はそれほど多くなく、仕方がないといってTさんはどうでもいいようなお店に私を連れてふらりと入ったのである。チリに単身赴任して3年とちょっと、感覚的にはすでにTさんはチリ人といってもよかった。
どんな料理が出たのかはすっかり忘れてしまったが、ワインの味だけは今でも鮮烈に憶えている。
いける口ですかと訊かれたので、多少はいけますと応えると、Tさんは意を得たりと思ったのかニヤリと笑い、ワインを2本注文したのである。チリソースに絡んだ魚貝を食べながらグイッとワインを飲むと、これがまた絶品の味がした。肥沃とはいえないなんとなく貧弱なチリの土地を思えば期待するものなんか何もなく、ワインなんかフランスだろうと思っていた先入観が木っ端微塵に打ち砕かれたのである。葡萄の濃さといったらただものではなく、これはもう空になったグラスの内側にあざやかに葡萄の澱が沈殿していて、また葡萄の口中に広がる香りの濃密さは今までに経験したことのなかったものであった。
旨い旨いといってあっという間に1本を空にしたものだから、Tさんも嬉しくなったのか、船便で1ケースお送りしましょうかなどと有り難いことをおっしゃる。いえいえそれはいけません。なんといっても私とTさんはこれが初対面なのだから、ここは涙を呑んでご辞退申し上げたのである。断腸の思い。今から思えばなんと残念だったことか。
それ以来というもの、私は自分が酒屋で買って飲むワインはチリ産と決めている。1000円も出せばお釣りがくるようなお値段で、ときによっては2本も買えたりするのだからチリワイン万歳なのである。
ロンドン駐在だったMさんが神戸に赴任して一緒だった時もチリワインをよく飲んだ。
さすがに国際派というか、いやこれはワインについてだけかも知れないが、Mさんもそこは蛇の道はなんとやらで、昼飯を食った帰りなど、神戸の元町の酒屋が店の前に出しているワゴンにどっさり乗ったワインの中からチリワインを鷲掴み、4,5本ほど買い求めるのである。つまみはどうでもいいやといいながら、近くの手作り豆腐をこれまた2,3丁包んで貰い、その日の仕事は手につかず、この国際派は終業の時間をただただ首を長くして待つのである。
そんな国際派のMさんは今は四国にいて、いつでも声を掛けてくれなどといっている。神戸と四国はほんのわずかな距離だから、そのうち酒の安売りスーパーでチリワインでも大量に仕入れておこうかなどと目論んでいる休日の午後である。
今日の神戸は午後から雨の降り出しそうな曇り空。昼は何を食おうかと思案し、そんなTさんやMさんを思い出し、冷蔵庫からスーパーで買ったピザを取り出し、こうしてチリワインをいただいているのである。我が休日ランチに栄光あれ。なぜか『ノルウェーの森』を聴きながら。

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ニコラス・ケイジ

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もう三ヶ月前にもなろうか、S君からいただいたDVDがひょんなことから鞄から出てきて、ちょうど今日は時間があったのでなにげなく観てみるとこれが面白かった。
主演はニコラス・ケイジ。あの「コットンクラブ」でギャングになれない若造、つまりチンピラ役を演じていた彼なのだが、あっと驚くくらい良い役者になっていた。「コットンクラブ」ではリチャード・ギアやダイアン・レインの影にかすんでいたけど、ちょっとだけ気になる役者であったような気はしていた。今じゃハリウッドの大スターだけど、今日観たDVDで、最近は映画にはとんと疎いけど、すでに彼は大物になっていたのである。
ダイアン・レインはなにやらおばあさんぽくなっているらしく、時代はそんなに経っていないような気がするけど、そこはやはりみながみなお歳をお召しになってしまったということか。
iTunesをBGMにベッドに横になって本を読んでいる我が身としては、シネコンには年齢相応の割引があると聞いても、どうも足を運ぶ気にはなれないのである。
DVD鑑賞の後、さて歯でも磨いて寝ようかと思いつつ、ふと思い出してしまったのがニコラス・ケイジではなくダイアン・レインだったのが可笑しい。そしてそのダイアン・レインがどう繋がるのかといえば、
「明日、歯ブラシを買いに行こう」
だったのである。年を取るとどうも歯がいけない。歯を丹念に磨くことは必須アイテムだから、買い置きがないとなるとどうも落ち着かないのである。かの大女優には申し訳ないのだが、「明日、歯ブラシを買いに行こう」はその買い置きがないのに気がついたということなのである。はなはだ不謹慎。失礼千万。平にご容赦。
左サイドバーにあるYouTube「ストリート・オブ・ファイアー」、この若き日のダイアン・レインに免じてどうかお許しを。
うむ、ニコラス・ケイジはどこ行った。ちなみにAmazonでのレビュー評価は散々である。手厳しい。ワタクシなどは娯楽映画としては上出来だと思うのですが・・・。まあ、いただきものだし・・・。合掌。

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2009.02.08

阪急電車

P1030857

昨日、暇だったのでブックオフを冷やかしていると、有川浩著なる「阪急電車」をみつけた。いつもは100円の文庫コーナーしか見ないのだけど、平棚に置かれていたこともあり、手に取ってみると、なにやらワタクシの住んでいる沿線のことが書かれてある。100円で買えなかったけど、ここはご近所のよしみで購入してしまった。
阪急今津線。神戸線に比べるとローカルなのだけど、この今津線8駅通過に起こる恋の始まり、恋の終わりを面白可笑しく書かれていて、なるほど、この手法はシドニー・シェルダンっぽくて先が気になり、こうなると一気呵成に読むしかなく、ときにひとり笑い、吹き出しながら読ませていただいた。「暴力」と「呪い」はちょっと困ったが、他の恋愛はまったく可愛いものだった。読後の感想はユーミンの『あの日に帰りたい』である。(笑)
ところで、我が住まう駅の様子、これはよく書けていた。行きも帰りも車内で高校生、大学生に挟み撃ちを喰らいながら話を聞くともなく聞いているが、この著者のようなドキッとする恋の話はまだ聞いたことがない。小学生も中学生も高校生も大学生も、とくに女子というものは手に負えないものである。これからの通勤は大いに気をつけて、心して阪急電車の人となろう。(笑)
ところで門戸厄神の章、これはワタクシ的には牛すじを絡めていただきたかったかな。そこで土佐の銘酒『桂月』などをがんがん呑んだりしながらである。
これをお書きになった時の著者のお住まい、あとがきで西北(西宮北口)から宝塚の間のジャストポイントだと濁してあるが、ワタクシはズバリ小林(おばやし)とみた。(笑)
それにしても、このときから比べたら西北はガラリと変わったものです。多分、恋の始まり、恋の終わりはそれほど変わっていないと思いますが・・・。

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